Vol.10 Nutrition Guide「CLA」

理想のからだづくりに必要な栄養素といえば、たんぱく質や炭水化物(糖質)などを思い浮かべ、逆に悪者扱いされがちな栄養素が脂肪ではないでしょうか?では、「肉類や植物油に含まれている脂肪を上手に摂ると、理想のからだづくりができる」と聞けばどうでしょう?放っておけないのでは…。

脂肪

脂肪は、エネルギーを長期間貯える・細胞膜を作るなど、たんぱく質や炭水化物と同じように、私たちの生命活動に不可欠な栄養素です。さらに必須脂肪酸は、体内で合成することができないので食事などから摂取する必要があります。その必須脂肪酸のひとつ「リノール酸」が「理想のからだづくり」のヒントになってきます。

CLA

日本語で共役(きょうやく)リノール酸、あるいは異性化リノール酸とよばれるCLAは、肉類や植物油、乳製品にも含まれる成分です。CLAが発見されたのは1930年代のことですが、その重要性が話題になったのは1970年代後半からです。リノール酸を加熱処理すると分子構造が変化し、共役リノール酸になる…この小さな変化が私たちのからだづくりに大きな変化をもたらせてくれます。

ちょっと詳しく

通常のリノール酸は、炭素原子を18個持っており、9個目と12個目の炭素原子に2重結合が見られます。(2重結合の間に炭素原子を2つ挟んでいます)。しかしCLAは9と11個目、11と13個目、または10と12個目といういくつかのパターンの間に炭素原子を1つ、つまり「共役」しています。1970年代後半以降、様々な実験においてCLAの健康有用性が発見されるようになりました。


ダイエットとCLA

CLA摂取の目安は一日1〜3gといわれています。食品でこの量を摂ろうとすれば、最も多く含まれているといわれる牛挽肉でも数kg摂らなければなりません。

また、当然のことですが、脂肪を燃焼するのにソファーに寝ころんではダイエットも期待できません。代謝を活性化させる適度な運動を心がけることが必要です。このニュートリションガイドでは割愛しましたが、CLAには抗酸化作用など、ダイエット以外の局面での活躍も大いに期待されています。


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