Vol.6 AMINO ACIDS / PEPTIDE

今話題のホエイプロテインは、その優れた栄養価やたんぱく質の利用率の高さで、あっという間にプロテイン市場の構図を塗り替えてしまいました。プロテインサプリメントを購入する際、目安とするアミノ酸スコアやペプチドの配合の文字。なんとなく、わかっているけれど…。

プロテインサプリメント

脂肪分がほとんど含まれず、高たんぱく質のプロテインサプリメント。大豆や卵白を原料としたプロテインパウダーから、最近では、たんぱく質の利用率の高さや吸収速度の速さなどで注目を集めているホエイ(乳清)を原料としたプロテインパウダーまで、スポーツ選手のみならず健康管理やダイエットを目的とした方々まで幅広く利用されています。しかし、サプリメントとして摂ったプロテインですが、どのように「からだづくり」をしているのでしょう…。

消化吸収と「からだづくり」

たんぱく質に限らず、さまざまな栄養素は、消化吸収されて私たちの「からだづくり」を行ないます。食事やサプリメントとして摂取したたんぱく質は、胃や小腸で酵素の作用により、ペプチドやアミノ酸へと分解され体内へ吸収されていきます。消化吸収までの時間は普通の食事で3〜5時間、ホエイを原料としたプロテインパウダーで2時間程度といわれています。ペプチドやアミノ酸として販売されているサプリメントは、すでに酵素分解された消化態となっているため、30分〜1時間で吸収されます。

ちょっと詳しく

たんぱく質は約20種類のアミノ酸の分子が、数十個から数万個結合して構成されています。アミノ酸分子1個の状態を「フリーフォームアミノ」といい、2個から数十個結合したものを「ペプチド」といいます。アミノ酸の中で9種類のアミノ酸については、私たちの体内で合成することができず、食事やサプリメントとして摂る必要があります。この9種類のアミノ酸を「必須アミノ酸」といい、そのバランスをスコアで表したものがアミノ酸スコアです。最高は100で、バランスが良いことを意味します。必須アミノ酸は、バリン・ロイシン・イソロイシンのBCAAとリジン・スレオニン・フェニルアラニン・トリプトファン・メチオニン・ヒスチジンの9種類です。またアミノ酸にはL-型やD-型があり、L-型のものが天然、D-型のものが非天然となります。


ホエイペプチド

近年、ペプチドとしてのサプリメントが注目されるようになりました。これはアミノ酸分子が2〜3個結合したペプチドのほうがアミノ酸分子1個の状態よりも安定性に優れ、吸収速度も速く、胃腸への負担も少ないことが分かってきたためです。ホエイを原料としたペプチドは、アミノ酸スコア100で、筋肉で代謝される分岐鎖アミノ酸(BCAA)の含有量も高いことから、ホエイプロテイン同様注目を集めています。

ちょっと詳しく

分岐鎖アミノ酸は、バリン・ロイシン・イソロイシンの3種類のアミノ酸の総称で、通常BCAAと呼ばれます。アミノ酸の多くが肝臓で代謝されるのに対し、BCAAの大半は筋肉で代謝され、筋肉のたんぱく質に多く含まれています。BCAAを多く摂ると、筋肉のたんぱく質が分解されエネルギーになることを抑える働きがあるといわれています。また、たんぱく質を合成して筋肉を大きくするなどの効果があると考えられています。


これからはペプチドを摂っていればいいの?

「からだづくり」には血液中に適度なアミノ酸濃度を維持することが大切です。特にウエイトトレーニングなどで疲労した筋肉はより多くのアミノ酸を必要とします。30分程度で吸収されるペプチドタイプのサプリメントは、すぐに血液中のアミノ酸濃度を上げるため、まさに理想的なサプリメントといえます。しかし、急速に高められたアミノ酸濃度は濃度が下がるのも速く、常に補給しなくてはなりません。日常生活で、例えば1時間おきにペプチドやアミノ酸のサプリメントを摂ることは、非常に難しく、わりに高価なサプリメントのため経済的ではありません。食事やプロテインパウダーと併用すれば、2〜5時間にわたって血液中のアミノ酸濃度が維持されます。

からだづくりを考えたサプリメント利用法

食事とサプリメントの摂り方を消化吸収の面から考えてみましょう。ペプチドやアミノ酸のサプリメントは、抜群の消化吸収性と胃腸への負担が少ないことから、トレーニングの直前・直後、食後や寝る前などに摂るのが効果的です。プロテインサプリメントは、トレーニング後や間食として、目安は1日に2〜3回摂る。ペプチドやアミノ酸のサプリメントを食事やプロテインサプリメントとうまく併用することが効果的な「からだづくり」といえます。


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