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Vol.12 今注目のナチュラルパワー養成に効果的な「ケトルベル」
今回は少し趣向を変えて、最近注目を集めている「ケトルベル」を紹介していこう。ケトルベルは、バーベルやダンベルと異なり、一つの筋肉にターゲットを絞って刺激を与えて筋肥大を狙うトレーニングではなく、バランス力強化、インナーマッスル強化、筋持久力アップがその目的となる。

見た目は無骨で飾り気がないが、一度試してみれば、その刺激、効果に驚くだろう。これまで通常のウェイトトレーニングを行ってきたトレーニーにも、刺激を変える意味でぜひとも試してもらいたい。

1)「ケトルベル」とは何か
最大の特長は、スナッチ、スィング、クリーン、ジャーク等の運動を、高回数で“バリスティック”に行える点にある。バリスティックとは、強い衝撃を筋肉に与えるトレーニング法の事。ケトルベルを使ってトレーニングを行うと、これまでのウェイトトレーニングでは感じる事のなかった強い衝撃を筋肉に与える事ができる。

したがって、これまで継続してウェイトトレーニングを行ってきたトレーニーで、発達が停滞していると感じているような場合(このような状態を「プラトー」という)、それを打破し更なる発達へつなげるためにも有効である。

2)ダンベルとのちがい
グリップ部分より先に重心がある事によって、動作中バランスを取る事が非常に難しい。とくに振り上げたりひねったりする種目があるため、なおさらだ。

さらには、そのグリップをキープするために、強力な握力が必要とされ前腕にも強烈な刺激が加わる。
また、動作の自由度が高いため、種目のバリエーションも増える。動きの大きい種目が多いため、身体を支えるための筋肉=スタビライザーも強化される。

3)アスリートにも効果的
ケトルベルトレーニングは、様々なアスリートのトレーニングにも取り入れられている。その目的は、筋持久力と精神力、瞬発力を高めるためである。バーベルやダンベルと違い、一方向だけにパワーを発揮するのではないため、実際の競技の動作に近いトレーニングが行えるのである。

特にロシアでは、古くからアスリートのトレーニングに用いられてきた事が知られ、世界最強といわれているファイター達も、このトレーニングを行い、素晴らしい身体能力を手に入れている。

4)重量選択時のポイント

ケトルベルはグリップより先に重心があるため、体感する重さは、ダンベルとは全く異なってくる。同じ重量であるならケトルベルの方がはるかに重く感じるだろう。

また、ケトルベルトレーニングでは、頭上に差し上げたり、そのまま保持したりする種目があるので、重すぎる重量では危険性も高く、ケガの原因にもなりかねない。

重量選択の目安としては、通常のダンベルを使って頭上にしっかり保持できる重さを確認し、それよりやや軽めの重量を選択すると良いだろう。

ただし、種目によっても扱える重量は変わってくるので、ダンベルで擬似動作を行って、自分に合った重量を判断すると良い。


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