Vol.14 話題のサプリメント『L-カルニチン』
アイアンマン12月号より


ファットバーナーとして、海外サプリメントでは以前からよく知られていたカルニチンだが、この度、国産メーカーのゴールドジムより新商品としてラインナップに加わった。カルニチンについては、その働きについて、実際にはあまり知られていないのではないだろうか。そこで今回はカルニチンの働きを含め、詳しい説明を、開発に関わっているゴールドジムプロダクツ、野上直之氏に伺った。
カルニチンのはたらき
FS:最初にカルニチンとは何か、またその働きについて教えていただけますか。

GG:はい、わかりました。カルニチンは肝臓や腎臓で、アミノ酸のリジン・メチオニンから合成されるものです。体内において、脂肪燃焼とエネルギー産生のメカニズムに関わっています。どういうことかと言うと、体内に蓄えられた脂肪酸はミトコンドリア内に運ばれ、そこで燃焼するわけですが、その運ばれる時に必要となるのがこのカルニチンです。逆に言えば、カルニチンが無ければ、ミトコンドリア内に脂肪を運び込めないので、脂肪燃焼の効率が悪くなります。
ですので、よく誤解されがちですが、カルニチン自体が脂肪を燃焼させるのではなく、あくまで体内での脂肪の運搬役だということです。例えると、体内に貯えられた脂肪が移動してミトコンドリア内に取り込まれる時、カルニチンというチケットが無ければ入れない、といったイメージでしょうか。ちなみに食品では、牛肉、羊肉に多く含まれています。

FS:なるほど。ではカルニチンを摂るだけで痩せるわけではないのですね。

GG:そうです。もちろん日常生活でもエネルギーを消費しているわけですから、その中で脂肪も燃焼されてはいます。しかし、目的を持って脂肪を落としたいのであれば、運動とサプリメントを組み合わせることが効率的です。そしてその時の脂肪燃焼効率を高めるのがカルニチンなのです。

CLAとの組み合わせ
FS:他に体重を落とす効果を期待できるサプリメントとして、「CLA」もありますが、こちらとカルニチンの違いを教えていただけますか。

GG:両方ともいわゆるダイエットサプリメントのカテゴリーに入るので、比較されることも多いのですが、その働きは異なります。「CLA」は蓄積された体脂肪を分解して血中に送り込む働きがあります。一方、「カルニチン」はそれを燃焼炉であるミトコンドリア内へ送り込むもの、と考えると分かりやすいのではないでしょうか。つまり、体内で脂肪を運ぶリレーを「CLA」と「カルニチン」で行っているようなものです。よくどちらが良いか聞かれるのですが、役割が異なるので…一概には言えないです。

FS:では併用することは問題ないのですか。

GG:はい。むしろ併用すれば脂肪を燃焼させるのに理想的かもしれませんね。両方購入して頂けるとありがたいです。(笑)

摂取のタイミング
FS:では、摂取のタイミングについて伺いたいのですが、いつ摂るのがベストなのでしょうか。

GG:タイミングはトレーニングの1〜2時間位前に摂るのが良いと思われます。これはカルニチンを摂取した後の血中濃度が最高に達するのが、1〜3時間後と言われているからです。トレーニング時間を1時間半から2時間と考えて逆算すると、カルニチン摂取により産生されたエネルギーを効率良くトレーニング時に使うためには、これぐらいが適当だと思います。

FS:では摂取量の目安はどれぐらいになるのでしょうか。

GG:サプリメントとしての摂取目安は1日あたり500mg〜1000mg程度です。海外製品の中にはもう少し多めの量を推奨しているところもあるようです。もちろん、体重の重い方と軽い方では摂取量も異なりますが、体重1kgあたり30mg摂取の参考資料がある一方、1日の摂取量が4gを越えるとすべてが体内で利用されるかどうか疑問ということも言われているようです。食事からの供給量や体内での合成量もありますので、500mg〜1000mg程度をおすすめします。体重1kgについて15mg〜20mgを目安にしています。ゴールドジムカルニチンは「L-カルニチン」のみを100%使用した高品質のカルニチンサプリメントで、4粒当たりで1000mgのカルニチンが摂取できます。1日あたりの価格も安くしてありますので、お求め安いと思います。

FS:成分を見ると「L-カルニチン、L-酒石酸塩」となっていますが、これについて説明をお願いします。

GG:はい。アミノ酸と同様にカルニチンにもD体とL体があり、人間の体内で自然に利用されるのはL体です。ですので当然「L-カルニチン」として商品化しています。「酒石酸塩」というのは、ワインの底に溜まっているものがよく知られていますが、これちカルニチンを結びつける事で、カルニチンが安定するのです。そうしないと、カルニチンはすぐに水分を吸って変成してしまうのです。ゴールドジムではこの、L-カルニチンと、L-酒石酸塩を結びつける製法の特許を持っているものを使用しています。またその製法においては、D体が全く含まれません。D体はL体の吸収を阻害すると言われています。

FS:先程海外製品のお話も出ましたが、海外でのカルチニンの状況はどうなのでしょうか。

GG:海外ではカルニチンサプリメントはとてもメジャーで、スポーツ系メーカーから健康食品系メーカーまで幅広いラインナップとなっています。日本でこれまで発売されなかったのは、単純に食品としての発売が許可されていなかっただけですから、これから市場は大きくなると思います。

ゴールドジムサプリメント「ブラック」「ホワイト」ラベルシリーズ
FS:ゴールドジムサプリメントシリーズには、「ブラック」ラベルシリーズと、「ホワイト」ラベルシリーズがあるのですが、カルニチン「ブラック」、CLAは「ホワイト」となっていますが、こちらは何か意図があるのでしょうか。

GG:大まかなカテゴリー分けとして、「ブラック」ラベルは、「トレーニング」との結びつきが強い商品を、言い換えればトレーニングと併用することで効果が期待できる商品となっています。カルニチンであれば、トレーニングすることで効果が期待できます。一方「ホワイト」ラベルは、一般の方の日常生活に利用しやすいものや摂取することだけでもある程度の効果が期待できる、いわば体質改善的な側面のある商品となっています。例えばCLAであれば、脂肪を導き出す働きや、食事で摂った脂肪を体脂肪として蓄積させにくくする働きもあるので、「ホワイト」ラベルにしました。悪いことではないのですが、ゴールドジムは力強いイメージがありますので、「ホワイト」ラベルにすることで買いやすくなると考えました。ちなみにドラッグストアでは「ホワイト」ラベルの方が売れています。

FS:カルニチンには、脂肪燃焼効果以外に期待できるものはありますか。

GG:そうですね。脂肪酸の利用効率増加により、筋肉の分解や乳酸の増加を抑えることになります。また、脂肪をエネルギーとして活用しやすくなるわけなので、持久力アップ、すなわちスタミナにもつながるのではないかと思います。アミノ酸摂取も同じことですが、トレーニングで身体を作ろうと考えるのであれば、トレーニングにより身体がどういう状態にあるかを考えなければならないと思います。

高品質サプリメントへのこだわり
FS:これから、各メーカーもカルニチンを発売してくるとの予測がありましたが、ゴールドジムのカルチニンとして、開発面において苦労された点は何かありますか。

GG:カルニチンに限らず、どのサプリメントも同じですが、ゴールドジムである以上、最高のサプリメントを提供できるよう常に心掛けています。ある製品について含有量がこの程度であればすぐに製品化できるとか…それでは納得できないのです。例えば、ホエイプロテインの話しをさせて頂くと、最近ではWPCを主原料とした大袋やブレンド品が数多く出ていますが、ゴールドジムサプリメントは大袋であってもCFM+WPHの上位アイテムのみ、また、この号が出る頃には具体化していると思いますが、ゴールドジムホエイ&ガゼインプロテインの主原料をWPCからWPIに変更したいと考えています。ここで考えているのはCFMではなく、UF(ウルトラフィルトレーション)後にMF(マイクロフィルトレーション)をプラスしたもの、ここにもこだわりがあるのですが、長くなるのでやめておきます。(笑)
また、ブランドネームだけではなく、我々のスタッフ自身が日本を代表するサプリ評論家のようなものですから、彼らが自分でゴールドジムサプリを選択し、使用し、そして自信を持ってお客様にお勧めできるものでなければならないと考えています。

FS:では今後も、こだわりを持って妥協しない姿勢で商品開発を行っていくわけですね。

GG:はい。大変ですけどそこは譲れない点ですので、頑張ります!

FS:本日はお忙しい中、ありがとうございました。